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2024.04.26
パブリックソリューション
国内初 全国1,718の自治体および23特別区で自転車用ヘルメット購入補助金に関する一斉調査

購入補助制度を導入している自治体は全体の21% ~自転車用ヘルメット着用努力義務化から約1年~

株式会社産経デジタル(代表取締役社長:土井達士、以下、産経デジタル)は、オートバイおよび自転車用ヘルメットの企画・製造・販売を行う株式会社オージーケーカブト(代表取締役社長:木村弘紀、以下、オージーケーカブト)と共同し、全国1,718の自治体(市区町村※都道府県は除く)および23特別区(計1,741)を対象にした初の自転車用ヘルメットに関する一斉調査を実施しました(※回答率は94.9%、1,630の自治体および23特別区が調査対象)。その結果、着用率を把握しているのは52の市区町村で全体の3%にとどまり、全体の21%にあたる351の市区町村が自転車用ヘルメットの購入補助制度を導入していることがわかりました。

5/1「自転車ヘルメットの日」に合わせ、全国1,718の自治体(※都道府県を除く)および23特別区で初の自転車用ヘルメット着用に関する実態を一斉調査

2023年4月の法改正により、自転車に乗る人にヘルメット着用が努力義務化されてから、早くも1年が経過しました。警察庁の発表によると、自転車事故で死亡した人の約7割(※1)が頭部に致命傷を負い、さらに、ヘルメットを着用していない場合の致死率は、着用している場合と比べて、約2.3倍も高くなっている事が報告されています。

また、都道府県別着用率の発表によると、最も高いのが愛媛県の59.9%に対し、新潟県が2.4%、青森県が2.5%、秋田県が3.5%など、地域ごとに大きな開きがあることも明らかになりました。しかし、より詳細なデータはこれまで可視化されていませんでした。

産経デジタルでは、自転車メディアを運営していたノウハウをもとに、各自治体に向けて自転車を活用したソリューション提供や、バーチャルサイクリングアプリを使用したインバウンド施策を数多く実施。自転車事業を推進する活動を奨める中で、ヘルメット着用の重要性を発信しています。

オージーケーカブトは、お子さま用から大人まで、帽子/シティ/スポーツタイプと幅広い自転車用ヘルメットのラインナップを展開。製品はさまざまな条件下で厳しいテストを繰り返し、第三者機関による安全性の認証試験を行っています。また各地の警察や自治体に協力して自転車ヘルメットの着用啓発に努めています。

5月1日はそのオージーケーカブトが制定した「自転車ヘルメットの日」です。そして、5月は自転車活用推進法で「自転車月間」に定められています。そこで、産経デジタルとオージーケーカブトは、地域ごとの現状や課題を可視化して向き合う事が、全体的な着用率向上に繋がると考え、都道府県別よりもさらに細かな、各自治体のヘルメット着用に関する取り組みを把握するべく、全国の自治体1,718(市792 町743 村183)および23特別区に向けて調査を行いました。

(※1)平成30年から令和4年までの東京都内における自転車乗用中死者の損傷部位の割合

■ヘルメット着用率を把握・調査している自治体は 全体の3%

まず、各自治体に対し、自転車用ヘルメットの着用率を把握、調査しているかについて伺ったところ、全体の3%にあたる52の市区町村が把握・調査していると回答しました(図1参照)。

都道府県別でみると、最も多かったのは三重県の14自治体で、次点に愛知県が7、大阪府が6と続きました。

ただ、着用率の調査手法に共通性がなく、精緻に把握できている自治体はさらに少ないことも明らかになりました。

駐輪場や自転車利用の多い交差点など、特定の場所で限られた時間に実地調査を行なっている市や、約4,000人を対象にネットモニターアンケートを実施している市など、調査期間や対象者数にばらつきがあり、そのため「着用率」の統計的な比較分析は難しく、データの取得方法に課題があることも判明しました。

把握・調査していない自治体の特長として、都道府県側がデータ集計を担っているという回答も見られました。

■購入補助制度を導入する割合は全体で21% 補助額では大きな差も

自治体として、自転車用ヘルメットの購入補助制度を導入しているかについても聞きました。

すると「導入(設定)している」と答えたのは、351の市区町村で全体の21%にあたることがわかりました(図2および下記URL参照)。

回答の中で最も高かった補助上限額は、条件を満たせば全額負担という自治体が2件で、以下、5,000円が2件、4,000円が7件、3,000円が60件、2,000円が208件、1,000円が16件。なお、ヘルメットの購入金額の半分まで、かつ上限額を設ける自治体が多くみられました。

着用率を把握もしくは調査し、かつ補助制度も設定している自治体は16と少なく、全体の1%にも満たない割合でした。その内訳は、愛知県の6自治体(豊橋市、一宮市、安城市、小牧市、あま市、幸田町)が最も多く、そのほかは、大阪府3(豊中市、松原市、東大阪市)、東京都2(杉並区、八王子市)、山梨県2(甲府市、南アルプス市)、長野県2(松本市、飯田市)、広島県1(廿日市市)でした。

なお、補助が受けられる条件についても調査すると「安全基準(※2)を満たした新品購入」、「学生限定」、「自転車保険加入者に限る」などの回答が多く、自転車用ヘルメット着用義務化が始まって1年が経過した2024年4月1日から補助をスタートする自治体も見受けられました。補助の手法に関してはクーポンの発行、補助金の設定、割引対応など、地域によって異なる方法で配布されていることもわかりました。

(※2)日本国内の「SG」「JCF」マーク、海外の「CE EN1078」等が対象

【自転車用ヘルメット購入補助制度を導入する自治体一覧】
https://www.sankei-digital.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/BICYCLEHELMET_list.pdf

■自転車用ヘルメット着用率向上に向けて

自転車用ヘルメットの着用は、自転車事故における致死率や後遺症のリスクの低下に繋がります。自らの命を守るため、1人ひとりが安全設計されたヘルメットを購入し着用することが重要です。

補助制度を設定している市区町村の導入率を、都道府県別にして分析すると(図3)、徳島県が「100%」で愛知県が「92%」、長野県や東京都も高い割合を示し、警察庁発表の都道府県別着用率が最も高かった愛媛県は「35%」でした。

愛媛県では、教育委員会が主導して県内の全高校で自転車通学時のヘルメット着用を義務化するなどしており、ヘルメット着用率向上に向けては、その地域の実態に合わせた施策が大切になると考えます。

警察庁交通局交通企画課の日下真一課長は「ヘルメットの購入に対して助成があれば、利用者にとって購入のきっかけにもなります。また、自治体が自転車用ヘルメット着用に関して住民の実態を把握することは、着用促進に向けた取り組みを推進するうえで有効であると考えます。着用率のさらなる向上へ積極的な動きが広がっていくことを期待しております」と、着用を推進する活動の継続性とさらなる拡大に期待を込めました。

(図3)都道府県別、各市区町村における補助制度導入割合

5月5日は「自転車の日」で、 「自転車ヘルメットの日」である5月1日から5月31日までは「自転車月間」と定められています。月間中は、交通安全のさらなる促進と自転車の正しい知識の普及を図るための啓発活動が各地で行われます。

産経デジタルとオージーケーカブトも、今回の調査結果を有効活用し、イベントやプロモーション施策を通じての呼びかけや啓発を引き続き奨めていきます。

※今回の一斉調査は、全1,718自治体のうち1,630の自治体および23特別区が回答
※計1,653の市区町村の回答をもとに集計しています

株式会社産経デジタル
https://www.sankei-digital.co.jp/
2005年11月設立。ニュースサイト/ライフスタイルメディアや産経ネットショップを運営。お客様の広告出稿やeスポーツ事業推進、イベント運営などもサポートしています。

株式会社オージーケーカブト
https://www.ogkkabuto.co.jp/
1982年設立。オートバイ/自転車用ヘルメットの製造販売を行う。すべての方々の『安心』『安全』を守るため、自転車用では子どもから大人向けまで幅広く、国内の安全基準に基づく認証マーク「SG」「JCF」ヘルメットの普及と着用啓発を展開。経済産業省による「令和5年度 製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)」を受賞しています。